抄録
都市機構は、団地の建替事業にあたって既存樹木の有効活用を積極的に進めているが、その取り組みの根幹となるものがグリーンバンクである。この研究の目的は、グリーンバンクシステムを用いて建替事業を行った武蔵野市緑町団地の居住者に対して意識調査を行い、グリーンバンクの取り組み効果を明らかにすることである。その結果、居住者の98%が「グリーンバンクへの取り組み」を良いと評価し、「保存移植された樹木」も97.1%が良いという評価であることがわかった。加えて、以下が明らかになった。戻り居住者よりも新規居住者の評価が高い。98%の住民が、伐採木の再活用に対して良いとみなしている。97.3%の住民が、グリーンバンクを継続すべきだと考えている。以上のことから、グリーンバンクの取組みは、日常生活環境の緑の保全、復元、再生に重要であることがわかった。