抄録
富栄養化抑制技術としての底泥処理に着目し、水中のT-N、T-P、Chl.aの抑制率が季節変遷に伴ってどのように影響されるかについて、野外設置型モデルエコシステムによる検討を行った。その結果、Chl.a抑制率は植物プランクトンの量と質により変動し、特に各季節における優占種が大きく影響すること、夏季は空中窒素固定能を有する藍藻(Anabaena)が存在し、T-Nを抑制してもChl.aの抑制ができない可能性があること、および実湖沼環境を模した本実験においてChl.aの抑制に最も効果的な処理および季節は、DAF処理とCRM処理のハイブリッド処理を晩夏~秋季に行うことが効果的であると考えられた。