抄録
東京都多摩市、町田市、八王子市を含む多摩丘陵の半径4.5kmの地域において、有機物含量と土壌構造を中心とした土壌物理性と中型土壌動物相の関連性を調べた。中型土壌動物相の評価はSimpsonの多様度指数の逆数1/λとFisherの多様度指数α+1、並びに個体数、属数に基づいた。個体数と属数および多様度指数を目的変数、土壌物理性を説明変数として重回帰分析を試みたところ、個体数・属数では粗間隙量を説明変数に含む有意な重回帰式が得られた。また、Simpsonの多様度指数では粗間隙量と負の関連性が示された。これらの結果より土壌動物相の豊かさを指標とする土壌物理性の特徴を明らかにできた。