主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 231-236
高レベル放射性廃棄物の地層処分に関するリスク・コミュニケーションのあり方を考察するため,地層処分や施設立地に対する市民の意識や,原子力政策への参加意識等を検討した。その結果,処分施設に対するNIMBY現象が確認されるとともに,施設立地を受け入れる地域への対応として他地域による立場や気持ちの理解が大切であること,原子力政策への市民参加における課題等が明らかになった。また,地層処分問題へ自分が関与しているとの認識は,地域により関係性の捉え方が異なることが示された。以上より,地域属性により地層処分に対する認識が異なることを考慮した議論を行っていく必要があること,市民どうしによる情報共有が必要であることを指摘した。