主催: 社団法人環境情報科学センター
p. 163-168
本研究では3タイプの流路工が連続的に施された小河川の河床と法面において植生調査を行い,生育状況や種組成の比較を行った。結果,護岸工のみが施された区間においては河床での植生の出現種数が多く,3面張り流路工区間では出現種数が有意に少なかった。また,コンクリートブロック護床工の区間ではミゾソバやアメリカセンダングサなどの一年生草本が優占し,帰化植物の出現率が高かった。工法の差異に応じた河床・河岸の構造物の微細な形状変化よって土砂の堆積状況が変わり,種組成に変化が現れると考えられ,渓畔域の植生管理を行う上で砂防工事が作り出す微細な形状を重視する必要がある。