本研究では,近年,距離,搬出量ともに増加しつつある産業廃棄物を対象に,移動量に移動距離を乗じたものを広域移動マイレージと定義し,がれき類,汚泥,ばいじん,鉱さい,廃プラ,廃油,木くずの7種類の廃棄物の広域移動マイレージの経年的な変化について考察を行った。さらに,汚泥及び木くずについて受け皿となる生産インフラや処理設備の能力をもとに,全国の総広域移動マイレージの削減可能性について線形計画モデルを用いて分析した結果,広域移動マイレージを汚泥では最大約8割,木くずでは最大約6 割の削減が可能であることを明らかにした。