抄録
本研究では,中国・承徳避暑山荘における亭と立地としての地形・水を対象とし,亭及び亭と地形・水の空間構成類型をまとめ,その特徴の考察を行った。その結果,亭が広範囲に分布し,主に湖ゾーンと山ゾーンに設置されており,また亭の分布によって湖ゾーンでは自然の風景と人口の風景をつなぎ,山ゾーンでは主に自然スタイルでデザインされたことがわかった。亭が豊富な造型をもち,その中の普通型が多く用いられている。様々な用途の亭が置かれていることは,皇家庭園の総合性のある特徴を表現している。また,8タイプの亭と地形・水の区間構成類型が得られ,亭と様々なタイプの空間構成類型は,空間と風景を豊かにしていることがわかった。亭の形,大きさ及び開放性は,機能と空間構成類型によって異なることが明らかになった。