抄録
中国華東地方の針葉樹二次林の優占種二種バビショウ(Pinus massoniana Lamb)とコウヨウザン(Cunninghamia lanceolata (Lamb) Hook) のサイズ分布・空間分布・直径-樹高関係を検討し,両種の生態学的特徴を明らかにした。バビショウは林冠木のみの一山型サイズ分布を持っていた。コウヨウザンは稚樹から亜高木層まで連続したサイズ分布を持っていた。バビショウは小さな空間スケールで一様な空間分布をしていた。コウヨウザンは集中分布をしていた。弱齢林のバビショウ小個体は,コウヨウザンと比べて,直径より樹高成長を優先させる傾向があった。バビショウはオープンサイトにおける成長速度が速い低耐陰性種,コウヨウザンは被陰下での死亡率が低い中耐陰性種であると考えられた。