環境情報科学論文集
Vol.24(第24回環境研究発表会)
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ハナミズキの樹形コントロールを目的とした根系切断
渡邉 英一大藪 崇司澤田 佳宏橋本 啓史山本 聡藤原 道郎
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p. 73-76

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抄録

本研究は,根系切断が樹木の成長に及ぼす影響を検証し,樹形との比較を通じて良好な街路空間の維持管理に繋げることを目的とした。2008年6月から9月にかけてハナミズキ40本を根系切断あり区と根系切断なし区にそれぞれ20本ずつ分け,最後まで生存した各区18本の樹高・枝の伸長量・根元直径・着葉数・光合成能を比較した。その結果,根系切断あり区は根系切断なし区と比べて,樹高が0.41cm低下する替わりに根元直径0.03cm増大した。また,着色剤を用いた吸水実験から切断した側の根が直上の枝に給水していることが確認され,根系切断による吸水障害により根系切断側の枝での着葉枚数が減少した。しかし,個葉レベルでは,一枚あたりの利用可能な水分量の上昇から光合成能が保持されていたことが確認された。以上から,根系切断することにより,街路樹の自然樹形を保持できる可能性が示唆された。

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© {2010}(社)環境情報科学センター
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