抄録
森林環境税の必要性判断に係る意思決定プロセスを,市民へのアンケート結果に基づき,共分散構造分析により明らかにするとともに,森林への関心水準等の高低が,意思決定プロセスに与える影響の違いを,多母集団同時分析により検証した。結果,森林環境税導入の効果と行政への信頼が森林環境税受容に係る判断要因になること,行政への信頼要因よりも森林環境税の効果要因のほうが影響力が大きいこと,地域の森林に関する低関心群および低行動群は,高関心群および高行動群に比べて,相対的に行政への信頼要因の影響が大きくなることを示した。