抄録
燃料電池自動車(FCEV)は,電気自動車(BEV)に続く次代のゼロエミッションビークルとして近年注目を集めている。しかしFCEV の商業化は容易ではなく1990 年代から多くの努力と数千億円を超す投資が費やされたがまだ大きな成功を収めるには至っていない。本研究では,自立経済的な発展を遂げた内燃機関自動車(ICEV)の普及経緯に注目し,ICEVやガソリン充填ステーション(GRS)の統計データからFCEV潜在需要計算を試みた。これをもとに,現実的視点からFCEV 支える水素充填ステーション (HRS)インフラ構築のあるべき姿を明らかにし,現実とのギャップを抽出することで自立経済化のための新しいアプローチを提案した。