抄録
震災前後における総合資源エネルギー調査会の会議の議事録を対象とし,テキストマイニングによってエネルギー・環境問題に関する論点を分析した。形態素解析を通してキーワードごとの出現率および共起率を分析し,多重対応分析とクラスタ分析を用いてキーワード間および発言者との関連性を布置図上に示した。分析結果から,震災前後におけるエネルギーや原子力と他のキーワードの関連性,中長期的な視点で議論されている問題について考察した。原子力の問題点がエネルギーの需要側とは切り離して議論されてきたことや,震災後の会議では電力関連の技術など震災前にはなかった論点が提起されていることが示された。