抄録
本研究では,東京都臨海部の運河利用に向けた規制緩和措置としての運河ルネサンス事業の対象 5地区において,管理者と協議会へのヒアリング調査を通じて運河の利用実態の把握と課題の検討を行った。その結果,地区ごとに事業構造や実施状況は異なるものの,独自の水辺づくり事業を展開していることを把握した。しかし,各地区の「管理者?協議会?事業者」の関係の実態から,協議会主体による事業実施に伴い事業者が限定的となっており,また,事業者の資金確保および施設利用に関する運営基盤が必ずしも整っておらず,継続的な事業実施および新規の事業者参入に向けた運営体制の確立が不十分であることを明らかにした。