抄録
本研究では,その進展が期待される企業と地域の協働による環境保全活動に着目し,マッチングを進めるための農山村側のニーズを分析した。調査対象は石川県内の260の地域であり,アンケート調査に回答した149 地域の代表者による協働活動の意向とそれに関する自由回答を解析した。その調査から,企業側に対して有益な農山村側のニーズの質的,空間的分布を整理することが出来た。具体的には,企業活動の受け皿となる地域のニーズには様々な特徴が存在し,積極的な意向は県内全域に亘り,消極的・否定的な意向は過疎地に偏在していることが明らかとなった。そして一部の地域では,外部主体が参画して地域活動を維持すること自体に疑問を抱いていた。