主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 43-48
日本において,風力発電施設による社会影響がどのような要因によって発生するかについての知見は,未だ十分ではない。本研究では,沿岸域の丘陵地帯に立地する風力発電施設で,周辺住民を対象にしたアンケート調査を行い,騒音とシャドウフリッカー認知・不快認知の発生状況及び発生要因について分析を行った。その結果,風車と住居との間の距離は発生要因としては限定的であり,風車がどう見えるかという視覚的な要素が有力な要因であることがわかった。また,沿岸域ではシャドウフリッカーの影響が大きい,複数の影響認知が発生している場合は不快認知が高まる,丘陵地では景観評価が低い,などの知見を得ることができた。