抄録
近年,中国における環境政策の形成過程における市民参加が導入され,中国型環境ガバナンスが整備されてきたと言われている。しかし,市民参加の実際の効果は明らかでなく,市民参加や環境ガバナンスの制度的フレームワークも明確ではない。本研究は,PM2.5 などの大気汚染問題が深刻な首都・北京で, 2013 年から2014 年にかけて審議・決定された「北京市大気汚染防治条例」のプロセス(政策形成過程)における市民参加に着目し,行政資料と関係者へのインタビュー調査に基づき,修正過程を四段階に分け,市民参加と条例修正の関係を分析した。その結果,市民参加が情報公開規定など条例修正に正の効果があったことを明らかにした。