抄録
生物多様性の保全・管理の基礎知識や技術を有する人材の育成を目的として,初学者の大学生を対象に,農村の整備や自然環境の保全に関する野外実習を行い,意識調査によりその教育効果を把握した。 実習を行うことで,環境保全に対して十分な興味を抱かせることができ,今後の学習や将来の仕事に繋げる事端となり得ることが確認された。実習プログラムを実施する上では,適切な時間設定と講師の力量が不可欠であり,適度に難しさと専門性を伴うプログラムの実施が,今後の学習意欲を抱かせる上で効果的と推察された。プログラム間の連携,復習や関連した学習の機会を設けるなどの実習・教育方法のさらなる検討が必要と考えられた。