主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 267-272
インドネシアでは複数の都市でごみ銀行が有価物回収を行っているが,その活動実態は十分に明らかになっていない。本研究では,質問紙調査などにより,バリクパパン市のごみ銀行の活動実態を整理し,ごみ銀行に対する住民の認知状況や意識,活動との関連を分析した。その結果,ごみ銀行の利用により,ごみ銀行周辺の住民のごみ分別などに関する意識が高まっており,行動に変化が生じていることが推察された。また,ごみ銀行周辺住民の分別行動の関連を分析した結果により,廃棄物問題への関心・認知や分別行動の認知が分別行動の評価,実践,周囲への働きかけと関連があり,ごみ銀行による取り組みがその流れを促進している可能性が示唆された。