本研究では,希少湿生植物であるミズニラの生育地の確保を目的に,流水環境下への移植の検討とその生育・発芽特性について調査した。その結果,本研究において移植を行った湧き水を水源とする流水環境への移植が可能であった。また移植地における環境条件および管理有無毎の生育・発芽状況では,流水環境において50%遮光環境が好適であり,さらに対照とした滞水環境との比較から,綿密な管理作業がなくとも生育・発芽が確保されることが示唆された。流水環境が移植地として,さらに管理軽減の観点からも有用な本種の移植地の一つであることが推察された。