主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 61-66
合成開口レーダ(SAR)によって取得した複数の偏波データを活用して散乱成分を分解する手法が提案されている。本研究ではTerraSAR-X によって取得された2 重偏波データ(HH/VV)にm-chi Decomposition を適用することにより,散乱成分を3種類に分解した。そのうち2回反射成分を用いることによって,移植栽培の稲作付地に対しては0.79,直播栽培の水稲作付地に対しては0.60,両方をまとめた場合は0.70 の決定係数で自然草高を推定するモデルを作成することができた。多くの植物において,主要な散乱パターンとして認識されている体積散乱成分と自然草高間の決定係数は0.32 から0.48 であり,2 回反射成分ほど良好ではなかった。これはXバンドマイクロ波に対するイネの応答特性を示すものである。