近年,都市郊外商業施設においても緑化空間創出が進んでいるが,それらの存在意義や利用者が緑地へ求める機能の検証は少ない。本研究は和歌山市郊外の商業施設緑化空間を対象として,設計者へのインタビューにより設計段階で期待された機能・効果ならびに,アンケートにて利用者の行動・効果の認知度を明らかにし,両者の関係性の把握を行った。その結果,設計者が緑化空間に設計段階で期待した眺望を楽しむ・散策などの機能は,利用者の実際の行動として発現していた。土地の自然環境を配慮したデザインについては,利用者の認知度は低く,これは設計者側の自然イメージが和歌山県域に一般化されていたことも一因であると考えられた。