主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 123-128
野付湾は,アマモ(Zostera marina)が生育しておりホッカイエビ(Pandalus latirostris) の漁場になっている。野付湾に流入する河川水質がアマモやホッカイエビに与える影響および,河川水質に影響する要因について検討した。T-N 濃度が0.6-0.9mg/L であった飛雁川,九虫川の河口付近では,アマモ生育質量およびホッカイエビ資源量の減少率は小さかった。一方,T-N 濃度が1.7-4.7mg/L であった当幌川,茶志骨川の河口付近では,アマモ生育質量およびホッカイエビ資源量の減少率は大きかった。河川水のT-N 濃度は,流域窒素投入量が増加すると増加する傾向があった。流域窒素投入量は,酪農家の購入飼料,化学肥料の購入量が増加すると増加した。