主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 267-272
本研究では,2015 年7 月30 日にバングラデシュに上陸したサイクロンKomen に関して,ジェンダーという要素が被災後の生活の復興に向けた人々の行動においてどのような影響を及ぼしていたか,金銭の貸借行動と食料の調達に係る行動に着目し分析した。被災地でのアンケート調査の結果,被災後の家計の維持管理に向けた借金行動において,ジェンダーに基づいた社会関係資本や家庭内での役割,目的の差異により,借金の相手,タイミング,金額の3 点に関して夫婦間で異なる傾向が示唆された。また,夫婦間での食料へのアクセスと確保に関する差異より,女性の方が被災後に栄養バランスが偏りやすく,健康面で影響を受けやすくなっていた可能性が示唆された。