近年我が国の河川護岸で増加しつつある外来植物ヒメツルソバについて,大阪府堺市を流れる大和川水系西除川の護岸擁壁での生育位置と水位変動の関連を検討した。2015 年夏に,59.6m 区間の擁壁の写真撮影を行い,水平距離1m 間隔で設置した調査ライン上の株の垂直分布位置を画面上で記録した。2005 年から9 年間の水位変動記録との関連を調べた結果,ヒメツルソバは,年間累積冠水日数が260 日を超えると深刻な影響が表れ,300 日以上で生育が困難になること,また年間連続冠水日数が140 日を超えると深刻な影響が表れ,200 日以上で生育が困難になることが示唆された。また冠水以外に,擁壁の乾燥や本種の種子供給時期も生育位置に影響する可能性が考えられた。