ラオス農山村の地域住民の所得改善を目的とし,原木きのこ栽培の農村への導入のために,栽培適地の検討を行った。日本では一般的に林床で原木きのこ栽培は実施されるが,現地調査の結果,食用きのこは森林の内部ではなく,焼畑後の上層を樹木で覆われていない乾燥しやすい休閑地で採集されていた。採集されている食用きのこは乾燥耐性を持つ腐生菌であった。また,休閑地は腐生菌の生育環境となる切株や倒木が休閑地に多く,年間を通じて低い飽差値であるため切株や倒木が乾燥しにくい環境であった。本研究の結果から,ラオスにおける原木きのこ栽培は,日本とは異なり上層を樹木で覆われていない休閑地を活用できることが示唆された。