環境情報科学論文集
Vol.34(2020年度 環境情報科学研究発表大会)
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研究論文
日本の竹林分布に対する気候変動影響評価
拡大リスク増大下での適応にむけて
平田 晶子髙野(竹中) 宏平相原 隆貴中尾 勝洋津山 幾太郎唐 勤松井 哲哉肱岡 靖明
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p. 210-215

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抄録

気候変動にともない,西日本を中心に問題となっている竹林の拡大が,より高緯度,高標高域でも深刻化することが懸念されている。本研究では,日本と中国におけるマダケ属の分布情報と気候データを用い,マダケ属の潜在生育域を日本全土で推定する統計モデルを構築した。さらに現在と将来の潜在生育域の変化から,気候変動によって竹林の拡大リスクが増大する地域を推定した。その結果,東北地方から北海道の低地を中心に生育確率の上昇が予測された。西日本でも,広い範囲で現在より生育確率が上昇する傾向がみられた。気候変動による拡大リスクの変化を考慮しつつ,竹林の新規植栽や管理のあり方を検討する必要がある。

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© 2020 (社)環境情報科学センター
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