本研究の目的は,若年女性を対象とした里山への意識と気持ちにおける体験型講座の効果, また里山保全・伝達意識の過程を探求することである。そこで宿泊を伴う森林整備や炭作り,森林散策を取り入れた体験型講座を37 名の,また比較対象として座学型講座を61 名の女子大学生にそれぞれ実施した。その結果,体験型講座では,里山への意識と気持ちがより向上した。また里山保全・伝達意識において知識,関心,動機といった意識の過程を示し,これらには利得感,保全方法の習得,すばらしさ,楽しさなどを認識することが影響していることが明らかになった。