環境情報科学論文集
Vol.34(2020年度 環境情報科学研究発表大会)
会議情報

報告
生態系の文化サービスにおける文化的遺産価値の危機レベル評価
自然環境と関係の深い長崎県指定文化財を事例として
太田 貴大高田 雅之
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 311-316

詳細
抄録

生態系サービスの危機レベル評価は手法が提案されているものの未だ適用されていない。 本研究では,Maron ほか(2017)の生態系サービスの危機レベル評価手法を参照し,文化サービスの文化的遺産価値を対象に評価を試行し,手法の可能性と課題を明らかにした。長崎県を事例に,文化的遺産価値の供給数には県指定文化財数,需要数には県政世論調査における今後の文化振興政策のニーズの回答者割合(%)を用いた。結果は「安定だが供給不足」のカテゴリに該当し,文化的遺産価値は供給不足であるものの危機レベルは低かった。この手法の課題として,供給と需要の単位を揃えること,時系列データを揃えることの困難さが挙げられた。

著者関連情報
© 2020 (社)環境情報科学センター
前の記事 次の記事
feedback
Top