日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
会議情報

G2 環境地球化学・放射化学
高濃度放射性セシウム含有微粒子が示すメルトダウン現象
*宇都宮 聡
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 19-

詳細
抄録

福島第一原発から環境中に放出された高濃度放射性セシウム含有微粒子(CsMP)はメルトダウン時に炉内で形成され、その内部に炉内で起きた反応の痕跡を残している。我々は最先端分析法を用いて(i)CsMPに含まれる燃料デブリ片を初めて検出し、燃料デブリ主成分のウラン酸化物の結晶構造、熱履歴を明らかにした。また、CsMP内部に含まれるウラン238/235同位体比が理論計算結果よりも低燃焼度を示し、デブリ中の不均質な同位体組成を示した。(ii) デブリ片のプルトニウム同位体比とミクロな存在状態をめて決定することに成功した。(iii) CsMPに含まれるホウ素―リチウム同位体組成分析に成功し、メルトダウン時に制御棒が揮発した直接的証拠を示した。上記以外の結果も総合的に評価し、メルトダウン時の現象に対する新しい真実を示す。

著者関連情報
© 2024 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top