主催: 一般社団法人環境情報科学センター
会議名: Vol.35(2021年度 環境情報科学研究発表大会)
回次: 35
開催地: オンライン
開催日: 2021/12/06 - 2021/12/12
p. 96-101
本研究では,江戸名所図会に記載された御神木を対象とし,東京都心における御神木の継承実態を明らかにするべく調査を実施した。その結果,御神木のうち現存樹については物理的な継承を維持すべく良好な状態を保つための配慮がなされ,枯死樹では境内に御神木があるという状態を保つために2代目以降を植栽する傾向を捉えた。さらに現存樹の多くは,御由緒に関東大震災や戦災を受けながらも生き抜いたエピソードによりたくましさを付加する形で継承され,その重要性を増していることを捉えた。枯死樹については,本来の御神木はあくまでも初代御神木であるという認識から,枯死樹を祀り継承する傾向を捉えた。