一般市民を対象にしたアンケート調査をもとに,気候変動による被災不安とその規定要因について分析を行った。その結果,他者に対する不安やライフライン断絶の不安が高い一方,自然災害に対する不安は相対的に低い傾向がみられた。また,因子分析から得られた特性不安と状態不安の2 種類の被災不安について,社会経済的要因,地理的要因,認知的要因との関連を検証したところ,性別では男性よりも女性で,世帯人数では2 人以上の回答者で,情報源ではインターネットよりもテレビを情報源とする人などで不安感が強いこと,また,近くに急な山の斜面がある回答者や,気候の変化とその影響を強く認識している人で不安感が強いことが明らかになった。