自然体験による市民の環境保全に対する意欲の増進が求められている現在,親世代が子ども達に向けて自然体験を教え伝えていくという自然体験の世代間伝承が重要である。本研究では,自然体験の世代間伝承に関する既往研究の知見の頑健性を高めるために,親世代である子育てをしている市民の中で自然体験の伝承を実行する傾向にある集団を明らかにした。全国の子どもがいる市民を対象にオンラインアンケートを行った(n=2,265)。家庭で自然体験の伝承を最も実行している集団は,自然体験の効果を非常に体感している人々であった。地域社会については,未成年時に地域で行われている自然体験活動に参加したことのある人々であった。