環境情報科学論文集
Vol.37(2023年度 環境情報科学研究発表大会)
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研究論文
酒米生産地における兼業農家と農業集落の維持
兵庫県三木市の集落を事例に
松原 茂仁中塚 雅也
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p. 245-250

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抄録

本稿では,兵庫県三木市の酒米生産集落を事例に,村米制度の継続と農地維持に向けた望ましい集落構造や環境対応を明らかにすることを目的とした。既存アンケートの整理,集落への個別ヒアリング調査の結果,今後の酒米生産農家の現状と後継者不在となる将来が確認される一方,イエの維持には可能性があることを明らかにした。今後の酒米産地の維持には,農業は内部の一部の農家か外部の農業法人が担い,集落はそうした農家と土地持ち非農家と協働しながら,農地水利の防災や動植物環境に配慮し維持するという体制,つまり農業維持と集落維持を分離し,農業を担う農家と農地を委託する住民が役割分担しながら酒米生産地を維持する方向性を示した。

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