抄録
和泉山麓地形改変地に立地する和歌山大学栄谷キャンパスに計8台の自動撮影カメラを設置し,2023年1月~2024年1月の期間カメラトラップ法を用いた哺乳類相の調査およびRESTモデルによるイノシシの生息密度推定を行った。累計カメラ稼働日数1065日,有効撮影枚数は9433枚となり,哺乳類11種の生息が確認できた。最も多く出現したのはイノシシ(72.59回/100カメラ日)であった。また,生息密度推定の結果は50.8頭/㎢となった。人間の活動圏と隣接している山麓造成地の残存林が多種の哺乳類の生息地として機能していることが明らかとなった。