抄録
脱炭素に対する日本人の認識を知るために,脱炭素は1)課題か,2)行き過ぎか, 3)無理か,4)生活を困難にするか, 5)生活を豊かにするかの5点についてアンケート調査を行った。回答を肯定的,否定的,「わからない/なんともいえない」の3項目に分けて潜在クラス分析を行った。その結果,回答者の約3割が脱炭素に対して肯定的または否定的な認識を示したが,48.3%は脱炭素を課題と感じているだけで,さらに12.8%は無関心と判断された。この傾向は,環境意識が高いとされるZ世代でも同様だった。この調査結果は,日本では脱炭素に対する具体的な理解と議論が未だ深まっていないことを示唆する。