抄録
本研究は,令和元年台風第19号(2019年)により被災した栃木県宇都宮市の被災者支援の実態を参与観察と災害時支援型調査により分析し,災害ボランティアセンターを設置・運営する「社会福祉協議会」とNPO等を含む「市民社会組織」による取組みの成果と課題の検討を行った。同災害に対しては双方において宇都宮市域の人的資源が活用され,平時からの関係構築や情報共有の重要性が示された一方,ボランティア人材の裾野の拡大や,活動拠点の事前確保において課題がみられた。発災から3年後の2022年より,社会福祉協議会を中心に災害対応技術の継承と関係者のネットワーク構築を目的とした実働型訓練の実施による取組みも進められている。