2010 年 64 巻 1 号 p. 2-8
水和反応初期におけるC-S-Hの構造形成挙動をXRD・リートベルト法、トリメチルシリル化法、29Si MAS-NMRを用いて検討した。その結果、セメント鉱物から溶出したシリケートアニオンはただちに二量体以上に重合しC-S-Hを形成するのではなく、常にある一定量単量体として存在し続けることが示された。また、初期において検出されるC-S-H中のシリケート鎖の平均鎖長は、カルシウムシリケート鉱物の反応率が50%を越えたとき長期において検出される平均鎖長とほとんど同値となることが明らかとなった。