セメント・コンクリート論文集
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セメント化学
シリカフュームを用いたセメント硬化体の水和におけるケイ酸構造の影響
小泉 公志郎佐藤 正己梅村 靖弘露木 尚光
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2010 年 64 巻 1 号 p. 9-15

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抄録

高強度コンクリートでは一般的に、セメントに微小粒径のポゾラン材料と高分散性の減水剤を併用した材料配合により水粉体比を極限まで低減させることが可能となる。しかしながら極めて低い水比ゆえにセメント自体の水和に大きな影響を及ぼすと考えられる。本研究では水比が30%以下の環境におけるセメントの水和反応に及ぼす影響、特にシリケート相におけるケイ酸アニオンの鎖長分布に着目して検討を行った。低熱ポルトランドセメントにシリカフュームを混合した系でシリケート相の水和挙動を検討したところ、水比が低いほど水和の進行が不安定になるケースが確認された。また、細骨材の吸湿(吸水)によってもシリケート相の水和に影響を及ぼすことが分かった。

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© 一般社団法人セメント協会
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