セメント・コンクリート論文集
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酸素および塩化物イオンの実効拡散係数によるセメント系硬化体におけるイオン移動性状の評価
菊地 道生須田 裕哉佐伯 竜彦
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2010 年 64 巻 1 号 p. 346-353

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抄録

セメント系硬化体中のイオン移動性状に影響を与える要因として、空隙構造および細孔表面の電気的性質が挙げられる。本研究では、酸素の拡散係数により空隙特性である屈曲度を求め、C/S比によるC-S-Hの物理的性質が屈曲度に及ぼす影響について検討した。その結果、C/S比ごとのC-S-H比表面積の違いにより、空隙構造が変化していると考えられた。また、塩化物イオン実効拡散係数から求めた屈曲度と、酸素拡散における屈曲度の比較を行った。細孔直径6nm以下の空隙量が多いほど、塩化物イオン拡散における屈曲度と酸素拡散における屈曲度の比、即ち塩化物イオン拡散経路の延長度が増大する傾向を示した。

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