2010 年 64 巻 1 号 p. 354-361
シリカフュームの混和による塩化物イオン実効拡散係数低下のメカニズムを明らかにすることを目的として研究を行った。塩化物イオン実効拡散係数は、直径10nm以上の空隙量の影響が支配的であり、シリカフュームの混和による塩化物イオン実効拡散係数の低下は、直径10nm以上の空隙量の減少によるものであることが分かった。また、塩分浸透抵抗性を総合的に評価するために、シリカフュームの混和による固定塩化物量の変化についても検討を行った。シリカフュームの混和により固定塩化物量の上限が小さくなったが、鋼材腐食発生限界濃度における固定塩化物量は、シリカフュームの混和の有無にかかわらず同程度であった。