2010 年 64 巻 1 号 p. 406-412
複数の混和材を併用した場合のアルカリシリカ反応抑制効果を確認することを目的として、モルタルバー法による膨張量測定試験を行った。フライアッシュまたはシリカフュームと高炉スラグを併用した場合、アルカリシリカ反応による膨張量は低減され、その抑制量は単体で使用した場合の足し合わせ分を見越してもよいことが示された。また細孔溶液のイオン分析を行ったところ、混和材の抑制機構として溶液中のアルカリ消費の効果が大きいことが示された。強度試験の結果から、混和材を併用することで強度特性を損なうことなくアルカリシリカ反応抑制機能を付与できることが示された。