2010 年 64 巻 1 号 p. 545-551
濃厚系懸濁液における代表的な非ニュートン性として、流動曲線にヒステリシスが生じることが挙げられる。本研究ではヒステリシスが生じる要因として、DLVO理論のポテンシャル二次極小における凝集を想定し、服部・和泉の理論を元に、実際に二次極小で凝集が生じることが予想される系を用いて流動性予測をおこなった。DLVO理論から計算される二次極小のポテンシャルを予測に取り入れることで、予測値は実測値と良く一致し、二次極小の凝集が流動性に影響を与えていることが確認された。本研究で提案した方法により、二次極小の凝集が生じる系の流動性予測をおこなえる可能性が示された。