2010 年 64 巻 1 号 p. 588-593
コンクリート管の製造方法には、遠心成形が一般的に用いられている。遠心成形は高速回転時の騒音・振動、熟練を要する作業による内面処理、または型枠や成形機に特殊な設備を要するなどの課題を抱えている。筆者らは、自己充填コンクリートによる鋼コンクリート合成管の製造方法の研究を行っており、本研究では、鋼コンクリート合成管の外圧強度向上を目的に膨張材の添加量について検討した。拘束膨張試験および圧縮強度試験の結果、膨張材量を100kg/m3程度とすることにより、膨張崩壊を引き起こすことがなく、外圧強度の向上を図ることが可能であることがわかった。さらに、実機試験を行い、膨張材量の増加により外圧強度が向上することを確認した。