セメント・コンクリート論文集
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その他
熱加水分解法によるセメント諸原料中のふっ化物定量
野口 康成丸田 俊久木羽 信敏山根 兵
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2010 年 64 巻 1 号 p. 594-599

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抄録

ふっ化物の全含有量分析前処理方法として、熱加水分解方法を石灰石、珪石、スラグ、石膏等のセメント諸原料に適用した。その妥当性を確認するため一般的に用いられている溶融分解-過塩素酸蒸留法と比較検討した。構成成分にSiO2を含まない試料では、両法のふっ素定量値は同等であったが、SiO2を含有する試料では熱加水分解法による定量値の方が高い傾向を示した。溶融分解-過塩素酸蒸留過程で生成するシリカゲルにより、ふっ化物の留出速度が遅くなるものと考えられ、蒸留時間を長くすると熱加水分解法による定量値に近づいた。熱加水分解法は、前処理時間が15分と迅速でかつ簡便であり、さらに信頼性の高い定量方法と言える。

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© 一般社団法人セメント協会
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