セメント・コンクリート論文集
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セメント硬化体・モルタルの物性
乾湿繰り返しによるセメント硬化体の収縮・膨張挙動
福島 浩樹石森 正俊胡桃澤 清文名和 豊春
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2010 年 64 巻 1 号 p. 74-81

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抄録

セメント硬化体の乾湿繰り返し時の収縮・膨張要因を明らかにし、その要因に基づいた収縮低減剤の収縮低減効果を解明するため、乾湿繰り返し試験を行った。乾湿繰り返し前後の細孔径分布から、SRA無添加供試体は20℃RH40%ではC-S-H一次粒子の凝集・分散が乾湿繰り返し時の収縮・膨張の要因であり、40℃RH40%では半径6.0nm以下のC-S-Hゲル空隙が重合により収縮後非回復になることで顕著に構造が粗大化し、新たな粗大空隙を形成するC-S-H粒子群の凝集・分散が収縮・膨張要因であることが示唆された。一方、収縮低減剤を添加することで、C-S-Hゲル空隙が保持され収縮を低減していることが確認された。

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