2012 年 66 巻 1 号 p. 135-142
筆者等はエトリンガイトの脱水に着目して、水銀圧入測定用試料の真空凍結乾燥法の乾燥条件を提案し報告を行った。本研究は提案した乾燥法と一般的に行われているD-dry法で乾燥した普通ポルトランドセメントおよび超速硬セメント硬化体試料の細孔性状を水銀圧入法によって測定し、乾燥法の相違が水銀圧入法による細孔性状測定結果におよぼす影響について比較検討をしたものである。その結果、提案を行った乾燥法による乾燥試料はD-dry法による乾燥試料に比して0.2μm~0.015μm間の細孔が増加し、0.15μm~0.0037μm間の細孔が減少した。また、全細孔量は提案を行った乾燥法による試料に対し、D-dry法による乾燥試料は1.04~1.41倍に増加し、細孔性状は提案した乾燥条件とD-dry法で乾燥した場合と異なる測定結果が示された。