2012 年 66 巻 1 号 p. 15-21
Afm相による六価クロムの固定挙動を明らかする目的で、六価クロムを固定したAFm相に炭酸カルシウムを添加した場合、およびモノカ-ボネート水和物にクロム酸カルシウムを添加した場合における六価クロムの挙動を調査した。前者の場合では、固相はいずれもほぼ変化せず、液相のクロム濃度は炭酸カルシウム添加比に関らず約3.3×10-3mol・dm-3とほぼ一定であった。一方後者では、モノカ-ボネート水和物に対するクロム酸カルシウム添加比が1.0未満ではモノカ-ボネート水和物が残存し、液相のクロム濃度は4.2×10-3mol・dm-3未満であった。また、同比が1.0以上ではクロム濃度がそれ以上に上昇し、モノカ-ボネート水和物は消失し、カルサイトとクロム酸イオンを含むAFm相およびAFt相が生成した。