2012 年 66 巻 1 号 p. 22-27
スラッジ水中に含まれる残存セメント分を有効活用するため、グルコン酸ナトリウムを用いて水和反応を制御したスラッジ水中に残存しているセメント量を迅速に評価する方法を確立することを目的として検討を加えた。XRDより定量した残存エーライト量と熱量の測定結果から推定した残存エーライト量には相関関係が確認された。また、硝酸マグネシウム及び熱量計を用いてスラッジを模擬したセメントペースト中の残存エーライト量を評価できることを明らかとした。硝酸マグネシウムがグルコン酸ナトリウムにより遅延されたセメントの水和を開始するメカニズムとしては液相に残存しているグルコン酸ナトリウム濃度を低下させるためであると推察した。