2012 年 66 巻 1 号 p. 151-158
軽量気泡コンクリート(ALC)と、多孔質ガラス、稚内層珪藻頁岩焼成建材の3種の多孔体について、飽水状態からの水分脱着と、引き続く吸着時の体積変化を測定した。いずれも相対湿度60~90%において、水分脱着に伴う体積変化の極小値と引き続く膨張が観察された。さらに同湿度領域での吸着過程との間で顕著な長さ変化のヒステリシスが見られた。一方、相対湿度10~50%の領域では、わずかな水分変化でヒステリシスを伴わない体積変化を示した。毛管凝縮と表面エネルギーを重ね合わせたモデル、およびインクボトル細孔モデルを用いて、これら体積変化挙動と空隙構造との関係を考察した。