2012 年 66 巻 1 号 p. 159-166
本研究では、各種セメント硬化体の相組成が圧縮強度に及ぼす影響について検討を行った。検討を行う際には、水和物の物理的性質から決定される空隙率やゲル空隙比を算出し、それらと圧縮強度の関係を評価した。硬化体の相組成を評価した結果、混和材の置換により長期材齢の空隙量が減少した。これは長期的に水和物の生成量が増加すること、またC-S-Hの密度が低下し水和物体積が増加するためである。また圧縮強度は、空隙率やゲル空隙比と概ね同一線上で評価することが可能であることを確認した。より高精度な評価を行うためには、空隙構造の変化も考慮に入れた検討が必要と示唆された。